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「水辺のロマン花」 キタミソウ


いまは、二十四節気では白露ですね。
それぞれの節気はさらに3等分されていて、七十二候がありますが、今年は昨日から秋分の日前日まで、玄鳥去(つばめさる)ということです。
そういえば、いつしか、ツバメの姿を見かけなくなりました。孵化して巣立った若鳥たちが、もう海を渡るというのですから、すごいですね。
これは、はるか南の国から渡来したころの卯月に詠んだ拙句・・・ 初燕 宙(そら)に十字を 切りにけり  功雪(しらこばと)
 
今日はとくに、写真ネタもありませんので、珍しい植物、水辺に生えている小さな植物をご紹介します。
当地、埼玉・越谷市には、キタミソウ(ゴマノハグサ科の一年草)という北方系の植物が自生しています。
ずいぶん昔、高校の先生が発見されました。どうして、この地に生えているのか?ですが、たぶん、渡り鳥、中でも、鴨たちが、シベリアのツンドラ地帯から運んできて、適した環境で生き永らえたのでは?と、推測しています。近隣の同じような環境の河川でもいまは、見つかっています。
 
北海道の北見地方で最初に発見されたのでこの名がついています。でも、北見地方では絶滅したそうです。あとは、熊本・水前寺江津湖(たぶん、阿蘇からの伏流水が湧き出て、水温が年を通じて19、20℃だそう)に自生しているそうです。
 
夏、冷涼でなければ、生きてゆけないのですが、当地の葛西用水は、田植え前から稲刈りの季節までは、下流の水門が閉じられて水が溜まり(そこで溜井とも呼ばれています)、上水(うわみず)が低地に流されて、田んぼを潤しています。
そこで、キタミソウは、夏の間は、水の底で暑さを凌いで、溜井の水が引くと、細くなった流れの水辺で、花芽をつけて、10~11月と3~4月に二度咲きます。
大きさの比較のために1円玉を置いて撮ったもの。へら状の葉の長さは、2~5cmです。このときは、花後、種がついているときでした。
「水辺のロマン花」 キタミソウ_e0413146_18231351.jpg
繁茂しているころ、そして、小さな花が咲いている3枚です。
「水辺のロマン花」 キタミソウ_e0413146_18242482.jpg
白い花の径は、2、3mm
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「水辺のロマン花」 キタミソウ_e0413146_18230762.jpg
四半世紀ほど前、新しい水門が造られた際、キタミソウの大移植が行なわれました。「そんな場所に、水の流れも作らないで、増えるものか」と冷ややかに見ていましたが、案の定、生育することはありませんでした。この石組もいまでは、土の下です。
「水辺のロマン花」 キタミソウ_e0413146_18254052.jpg
自然界は微妙なバランスの上に成り立っていますね。やはり、人手を加えることなく、”野の花は野に置け”です。

by shirakobato2 | 2020-09-18 18:36 | 山野草
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